神様が僕のお願いを聞いてくれません。
いつまでたっても、公園の芝生は荒れたままだし、
チョコレートは12個入りだし、貯金箱のお金は増えない。
いつまでたっても、お父さんとお母さんは仲良くならないし、
「お兄ちゃんなんだから」といって僕だけが怒られるし、
おかわりしようとすると嫌な顔される。
いつか夜空に向かってお願いしたんです。
どうか、どうか、僕の願いが叶いますようにって。
恥をしのんでお願いしたんです。
そしたら一瞬星が光ったように見えて、神様が叶えてやるよって、
返事をくれたのかと思ったんです。
でもそれって、思い込みだったのかなって。
だって未だに僕は「感動」とやらも知らずに、泣くことができないでいる。
「絆」も知らずに、ひとりでただ立ちつくしている。
神様はどんな子のお願いなら聞いてくれるんだろう。
確かに僕はとびきり良い子じゃないけれど、
ものすごく悪いやつでもないと思う。
このチョコレートが口の中で溶ける前に、神様でなくても構わないよ。
ぜんぶでなくてもいいよ。
どうか、誰か、僕の願いを叶えてください。
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