神様が僕のお願いを聞いてくれません。
いつまでたっても、公園の芝生は荒れたままだし、
チョコレートは12個入りだし、貯金箱のお金は増えない。
いつまでたっても、お父さんとお母さんは仲良くならないし、
「お兄ちゃんなんだから」といって僕だけが怒られるし、
おかわりしようとすると嫌な顔される。
いつか夜空に向かってお願いしたんです。
どうか、どうか、僕の願いが叶いますようにって。
恥をしのんでお願いしたんです。
そしたら一瞬星が光ったように見えて、神様が叶えてやるよって、
返事をくれたのかと思ったんです。
でもそれって、思い込みだったのかなって。
だって未だに僕は「感動」とやらも知らずに、泣くことができないでいる。
「絆」も知らずに、ひとりでただ立ちつくしている。
神様はどんな子のお願いなら聞いてくれるんだろう。
確かに僕はとびきり良い子じゃないけれど、
ものすごく悪いやつでもないと思う。
このチョコレートが口の中で溶ける前に、神様でなくても構わないよ。
ぜんぶでなくてもいいよ。
どうか、誰か、僕の願いを叶えてください。
2015年1月19日月曜日
2014年12月26日金曜日
あなたを
あなたに毛布を掛けたいわ。
こんな寒い日に、身体が冷えたら風邪をひいてしまうもの。
あなたとゆっくりお話しがしたい。
猫が塀を登った後の後ろ姿がおかしくて、それをあなたに伝えたいわ。
私、あなたに触れたいの。
その肌のあたたかさを確かめてみたいの。
私、あなたを殺したい。
そっと首に手をかけて、ゆっくりと絞め殺したいの。
いっそ、私を殺してくれても構わないわ。
何も言わずに、温度を奪ってくれたっていいのよ。
だんだんと、あなたとの距離が縮まって、
触れるか触れないかの距離になったら
そこで時が止めればいいと願うわ。
きっと触れてしまったら、もう自分を抑えきれないもの。
あなたをこの手に仕舞いこんで、消えてなくなるまで紡いでいたいの。
こんな寒い日に、身体が冷えたら風邪をひいてしまうもの。
あなたとゆっくりお話しがしたい。
猫が塀を登った後の後ろ姿がおかしくて、それをあなたに伝えたいわ。
私、あなたに触れたいの。
その肌のあたたかさを確かめてみたいの。
私、あなたを殺したい。
そっと首に手をかけて、ゆっくりと絞め殺したいの。
いっそ、私を殺してくれても構わないわ。
何も言わずに、温度を奪ってくれたっていいのよ。
だんだんと、あなたとの距離が縮まって、
触れるか触れないかの距離になったら
そこで時が止めればいいと願うわ。
きっと触れてしまったら、もう自分を抑えきれないもの。
あなたをこの手に仕舞いこんで、消えてなくなるまで紡いでいたいの。
2014年12月25日木曜日
ひとつのかたまり
ひとつのかたまりが離れてしまうまえに
そのまま流れてしまえばいいのに。
青く澄んだ空に吸い込まれて
そのまま溶けてしまえばいいのに。
ことの決まりがちれぢれにしてしまう。
日常がとどまりを許さない。
だから今は目を瞑って、あの時間を漂いゆく。
想い出
想い出がほしい。
君との想い出のために大きな箱を用意した。
小さなものまで詰め込んで
僕はそれを大切にしまっていた。
ときどき引っ張り出しては、少しずつ増えるそれを眺めていた。
そして彼女が去って、僕には箱だけが残った。
箱はたくさんの想い出を抱えきれなくなって
いくつかこぼれ落ちていた。
僕は床に落ちた想い出までも拾い上げて
口いっぱいに詰め込んだ。
それが彼女の一部だと信じて、貪り食べた。
箱の中身を全部平らげ
僕のお腹は何倍にも膨れて上がった。
重力が僕を引きずり込み
僕はそのまま床に倒れこんだ。
大きく膨れたお腹で前すら見えない。
目の前はただの暗闇。
想い出なんていらない。
想い出なんて。
君との想い出のために大きな箱を用意した。
小さなものまで詰め込んで
僕はそれを大切にしまっていた。
ときどき引っ張り出しては、少しずつ増えるそれを眺めていた。
そして彼女が去って、僕には箱だけが残った。
箱はたくさんの想い出を抱えきれなくなって
いくつかこぼれ落ちていた。
僕は床に落ちた想い出までも拾い上げて
口いっぱいに詰め込んだ。
それが彼女の一部だと信じて、貪り食べた。
箱の中身を全部平らげ
僕のお腹は何倍にも膨れて上がった。
重力が僕を引きずり込み
僕はそのまま床に倒れこんだ。
大きく膨れたお腹で前すら見えない。
目の前はただの暗闇。
想い出なんていらない。
想い出なんて。
2014年12月24日水曜日
追いかけっこ
追いかけっこの誘いに僕は二つ返事で承諾した。
蛙君から誘ってくれるなんて信じられないことだ。
僕はなんだかくらくらしてしまった。
蛙君が虫役になった。僕は蛙君を捕まえなければならない。
合図と同時に蛙君はぴょーんと飛び跳ねた。
僕はどうにかして捕まえようと一生懸命に走った。
だけれども駆けっこの得意な蛙君には僕なんて到底敵わない。
どうしたって蛙君には追いつけない。
そんなことわかっていたのに
断って嫌われることを恐れていたんだ。
だけど僕と蛙君とじゃ違いすぎる。
だってちっとも追いつかないじゃないか。
後姿しかみれないじゃないか。
僕はだんだん自分が惨めになってきて、哀れになってきて、
どうしようもなく涙が溢れてきた。
身体も心も苦しくなって、僕はその場に立ち止まった。
すると蛙君は僕の方へ駆け寄ってきてくれた。
「大丈夫かい? 少し走りすぎてしまったみたいだね」
僕は蛙君に泣いていることを気づかれたくなくて、俯いたまま何も言えなかった。
「ちょっとここいらで休憩しようか。今日は本当に天気がいいなぁ。こんなジメジメした日には大声で歌いたくなってしまうんだよ。少し僕の歌声を聴いていくかい?」
僕は俯いたまま2回うなずいた。
蛙君は僕の横に座り、背筋をピンッと伸ばすといつものように歌い始めた。
静まり返った沼地に蛙君の歌声だけが響いている。
それが僕の心臓の音と共鳴しているようでなんだか心地がよかった。
僕は気が付かれないよう蛙君の横顔をそっと覗き見た。
うん。蛙君はやっぱりかっこいい。
僕は頑張ってよかったなと思った。
蛙君から誘ってくれるなんて信じられないことだ。
僕はなんだかくらくらしてしまった。
蛙君が虫役になった。僕は蛙君を捕まえなければならない。
合図と同時に蛙君はぴょーんと飛び跳ねた。
僕はどうにかして捕まえようと一生懸命に走った。
だけれども駆けっこの得意な蛙君には僕なんて到底敵わない。
どうしたって蛙君には追いつけない。
そんなことわかっていたのに
断って嫌われることを恐れていたんだ。
だけど僕と蛙君とじゃ違いすぎる。
だってちっとも追いつかないじゃないか。
後姿しかみれないじゃないか。
僕はだんだん自分が惨めになってきて、哀れになってきて、
どうしようもなく涙が溢れてきた。
身体も心も苦しくなって、僕はその場に立ち止まった。
すると蛙君は僕の方へ駆け寄ってきてくれた。
「大丈夫かい? 少し走りすぎてしまったみたいだね」
僕は蛙君に泣いていることを気づかれたくなくて、俯いたまま何も言えなかった。
「ちょっとここいらで休憩しようか。今日は本当に天気がいいなぁ。こんなジメジメした日には大声で歌いたくなってしまうんだよ。少し僕の歌声を聴いていくかい?」
僕は俯いたまま2回うなずいた。
蛙君は僕の横に座り、背筋をピンッと伸ばすといつものように歌い始めた。
静まり返った沼地に蛙君の歌声だけが響いている。
それが僕の心臓の音と共鳴しているようでなんだか心地がよかった。
僕は気が付かれないよう蛙君の横顔をそっと覗き見た。
うん。蛙君はやっぱりかっこいい。
僕は頑張ってよかったなと思った。
友達
我が部屋に友人が住んでおります。
友と云えども人間ではありません。猫でもありません。
猫は私の妹、娘、息子であって友達の立場にはありません。
では誰かと申しますと、それは1匹の蜘蛛であります。
今まさに私の後ろの壁でお寛ぎをして頂いていますのがその彼です。
彼と出会ったのは2年ほど前でしょうか。
突然私の部屋に住み着くようになりました。
蜘蛛の寿命は最長3年と言われていますので同じ蜘蛛なのは間違いありません。
未だに彼の名前は知りません。
一応私の名は伝えたことがあるのですが
彼は依然として名前を呼んだことはありません。
蜘蛛には名前という概念が無いのかもしれません。
勝手に名前をつけるのは失礼にあたりますので迷った挙句にやめました。
名前が無いということも案外悪くはないように思えてきます。
彼と一緒にいて一番気をつけることは、掃除機をかけるときです。
なにせとても小さく繊細な身体をしておりますので 、
大きく凶暴な掃除機でその身体を吸ってしまわないように細心の注意をはらいます。
彼も私の心遣いを理解してくれているのか、掃除の際にはどこかに身を隠してくれています。
掃除が終わってから数時間後に何もなかったかのように現れたときには
「掃除は終わりましたよ。どうぞお寛ぎくださいませ」と話しかけます。
すると彼は気紛れにちょっとした蜘蛛的日常話をしてくれるのです。
大概は毎日の食事事情ですが1分もしないうちに話すのをやめてしまいます。
そしてゆったりと前足を動かしながら空を見つめます。
2年の月日が経過しても我々の関係は猶の事揺るぐことがありません。
私は彼にいつまでもここにいてもらいたいと思っています。
でも無理強いはしません。その事についても伝えることはないでしょう。
私は彼の気紛れさが好きなのですから。
全ては彼の気の赴くままに。
友と云えども人間ではありません。猫でもありません。
猫は私の妹、娘、息子であって友達の立場にはありません。
では誰かと申しますと、それは1匹の蜘蛛であります。
今まさに私の後ろの壁でお寛ぎをして頂いていますのがその彼です。
彼と出会ったのは2年ほど前でしょうか。
突然私の部屋に住み着くようになりました。
蜘蛛の寿命は最長3年と言われていますので同じ蜘蛛なのは間違いありません。
未だに彼の名前は知りません。
一応私の名は伝えたことがあるのですが
彼は依然として名前を呼んだことはありません。
蜘蛛には名前という概念が無いのかもしれません。
勝手に名前をつけるのは失礼にあたりますので迷った挙句にやめました。
名前が無いということも案外悪くはないように思えてきます。
彼と一緒にいて一番気をつけることは、掃除機をかけるときです。
なにせとても小さく繊細な身体をしておりますので 、
大きく凶暴な掃除機でその身体を吸ってしまわないように細心の注意をはらいます。
彼も私の心遣いを理解してくれているのか、掃除の際にはどこかに身を隠してくれています。
掃除が終わってから数時間後に何もなかったかのように現れたときには
「掃除は終わりましたよ。どうぞお寛ぎくださいませ」と話しかけます。
すると彼は気紛れにちょっとした蜘蛛的日常話をしてくれるのです。
大概は毎日の食事事情ですが1分もしないうちに話すのをやめてしまいます。
そしてゆったりと前足を動かしながら空を見つめます。
2年の月日が経過しても我々の関係は猶の事揺るぐことがありません。
私は彼にいつまでもここにいてもらいたいと思っています。
でも無理強いはしません。その事についても伝えることはないでしょう。
私は彼の気紛れさが好きなのですから。
全ては彼の気の赴くままに。
登録:
投稿 (Atom)